小さな倉庫の生きる道【半蔵門ビジネス雑談】20200728
住まいの近く、子犬の散歩コースに社屋を含めて100坪くらいの小さい倉庫業者がある。倉庫だな、と思ってぼんやりと見ているだけだったが、ある朝シャッターが開くのに遭遇し、中が見えた。パレットに同じ梱包の四角いそれほど大きくない箱がいくつかの山に別れて積まれている。それ以外にも複数の荷物がそれぞれ別々のパレットに乗って置かれていた。そういえば、ここに荷物が搬入される場面には出くわさないし、出庫していく場面にも出くわさない。でも、従業員は数人はいるようだし、いったいどういうビジネスなのだろうか。
- 立地はよい。国道246号が目の前を通っている。
- 倉庫サイズが小さいので、数多くの品を大量に置くことはできないだろう。多品種倉庫ではなさそうだ。
- 倉庫を見る限り、冷凍などの特殊な温度管理をする設備ではない。あったとしても少量だ。
- トラックは小型。せいぜい2トン車だ。それも数台あるかどうか。
幕張にあるような大きな倉庫なら(あのあたりの倉庫はほんとにでかい。敷地入り口から倉庫の入り口まで歩ける距離じゃないくらい)大量の品を預かり保管して一気に大量に複数箇所に出荷するモデルもなりたつだろうが、こうした小規模倉庫では特徴や何か特化したものが必要だろう。ある取引先の倉庫は、特殊危険物製品を扱える倉庫で、かつ、管理システムを保有し、在庫管理を担っている。以前、倉庫を他社に移管する計画を立てようとしたが、管理システムの再構築を考えて断念したことがある。
さて家近くの倉庫は、トラックの台数が少ないので、ラストワンマイルの運送でもなさそうだ。そこは、ヤマト、佐川、アマゾン配送が抑えているだろう。
ふむ。。。この小さな倉庫のビジネスモデル。。。
観察すると、周囲には、大型の、かつ売れ筋の店舗が複数あった。
ニトリ。
スーパーオートバックス。
1駅離れると、
東急、
阪急、
いずれも、倉庫はあるが、それにしても、倉庫エリアはそれほど多くは取れないだろう。
この小規模の、この立地の、倉庫業としては、こうした前述の大手小売のバックアップ倉庫の役割は有効だ。距離が近く、小回りが聞きそうだ。
地域密着バックアップ倉庫。これが小さな倉庫の一つの生き方か。
しかし、正解は特殊な保存が必要な製品群(接着剤や塗料など)であった。すると納品先はホームセンター、ああ、それもまた近くに複数ある。そういう特化もまた生き残りの道か。