半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

獣たちのコロシアム

獣たちのコロシアム【読書/映画感想】20201009

 

石田衣良氏のIWGP最新作。4話。

  • 流行りのタピオカミルクティーの店にアルバイトとして応募して来たのは、上場企業に30年勤務中だが、追い出し部屋で社内リストラされている中年男。こちらもある意味流行りのよくある境遇だ。しかし年季の入った彼の真摯な勤務態度は、マコトを動かす。
  •  池袋のラブホテル強盗団はチェーン店以外の小規模で警備が手薄な店を順番に狙っていると感づいたマコトの幼馴染は警備を依頼したが、ある日、何かに気が付いたと同時に消息を断つ。データを調べマコトも気が付いてキング・タカシに応援を依頼し、乗り込む。
  • 誕生日に昔の男のふりをして下の名前で電話をかけてくるバースデイコール詐欺。長く電話で関係を築いた後、お金の無心をして大金を引っ張るホストによる新手の詐欺だ。池袋の街で同じホストクラブがたくさんの女性たちを喰い物にする。マコトが描いた壊滅作戦で、Gボーイズが動く。
  • 獣たちのコロシアムは児童虐待の裏サイトの話だが、これは内容を書くのをはばかられる。こちらの心が壊れそうな話。なので内容の紹介なし。

 

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このシリーズが好きなのは、大学時代を過ごした池袋が舞台だからなのかもしれない。懐かしむというよりは、あの頃にできなかった様々なことを追体験している気分になるからだ。舞台は西口のはずれ、東口の奥の方、北口の路地、そして、駅前のファミレスや喫茶店。確かに体験したこともあるが、もしかすると体験しなかったことを、まるで自分もそうしたように思い込めるからだ。

 

バースデーコールに似た話だが、次女が成人して間も無く家に電話が来た。馴れ馴れしい友達風の電話。「山田です!」と元気よく。「どちらの山田さん?」と聞くと、「東京の山田です!」とさらに元気に。今では通常は携帯にかけてくるので、「出かけています。連絡先は?」と聞くと、「じゃあいいです」と元気よく。二十歳になると親の承諾なくローンが組めるようになるので、それを狙ったものらしい。詐欺の手法はどんどん現れるが、最近では信頼関係を築いて詐欺じゃないと思わせるようなイヤらしいやり方が増えている。自己防衛を身につけないといけないのだ。

 

このシリーズは、ずっとハードカバー本を買って読んでいる。それくらい楽しみ?いや単なるこだわり。そのかわり読み終えたらすぐにメルカリに出す。ただし1冊だけハードカバーが本棚にある。シリーズ10のPRIDEという刊。この刊を読んだ時、ああ終わりなんだなと思って保存したのだが、期待を裏切ってすでに16巻だ。ストリートヒーローものは、結末がわかっている。水戸黄門の印籠みたいなもの。それが安心感として読める。

 

だからまたきっと読むだろうな。