神の呪われた子 石田衣良IWGPシリーズXIX 最新刊【読書／映画感想】20230927
石田衣良IWGPシリーズXIX 最新刊。これはいつもハードカバーを購入して読むことにしている。長期名作への敬意。でも読み終わると６０％の価格でメルカリに流してしまうけどね。このシリーズは過去作の「プライド」が一区切りと思ってハードカバーを保存してあるがそれ以降は手放すことにしている。なにせ本は置き場所が際限なく必要でキリがないから。しかももう一度読むことは少なく最近はますますそんな時間もなくなっていく。所有して読了したことの証はこのブログ記事だ。今作は以下の４編からなる。キャッチーな時事テーマ。
１ ウィスキーバブル
古くからあるバーに眠っている一点ものお宝ビンテージウィスキーに超高値がつく話。それをめぐって半グレが暗躍しGボーイズが動く。実際、最近はロレックスもそうらしい。TVの番組でお笑い芸人が４００万のロレックスを購入していた。かろうじてかっこいいけど自分はデイトジャストやバブルバックのオイスターのほうが好みだ。エクスプローラーは好かない。
２ 私生活流出
ホントに自分の本質はこの体なのか個人情報なのかが疑問になってくるほどネットにある情報がよりリアルな本質に思えてくる。コロナになってから人にリアルに会う機会が減り、代わりに自分の行動や交際や考えがネットに、ブログに、SNSに拡散する。それはもちろん自分で発信している。所在がバレるような写真は控えてもいくらでも突き止められる時代。もちろん馬の骨の自分の情報には金銭価値はないのだが著名人、アイドルなら売買の対象になり、ワルイ人にかかればどんな馬の骨からでも金を脅し取ることなど容易いのかもしれない。
３ フェイスタトゥー
顔まで墨を入れたら日本ではおそらく一般的な仕事にはつけない。飛行機も乗りにくい、銭湯にもプールにも入れない、店にも入りにくい、海外にも入国に苦労するしあげく送還されるか、そして、結局金を稼ぐ、手に入れる手段は限られてくる。年寄りを痛めつけて金をせしめる事件は実際に起きている。国が貧しくなるというのはこういうことなのかもしれない。稀な事件という扱われ方をしているがそれで安心してしまわないように心に刻んでおく。
４ 神の呪われた子
宗教的事件は後を立たないし、事件がないように見えて実は深く静かに潜航しているだけであろう。人の心は弱く救いを求める限り神が救ってくれるとなればそこにすがる人々も多い。最近のドラマ「ハヤブサ消防団」もそんな宗教の話だった。過疎の地方都市が人を無防備に移住されるのも考えものだ。ドラマのように宗教集団がまとまって移住してくればあっという間に選挙票数は地元住民を抜き、宗教政権を成立させることも可能なのだから。
以前に比べると日本も怖くなってきた。だから金曜の夕方１８時過ぎにチャイムがなって、”なんとか建設”と名告る営業マンが「耳寄りな話を持ってきた、３分話をきいてくれ」と切羽詰まった声でインターホン越しに語るが、そんなスタイルの営業をやらされている会社で、プレッシャーがかけられていると押し込み？みたいなことを衝動的にやってしまうかもしれない。若い営業マンには悪いがそんな時代だということ。ごめんね。「web会議中なので会えない」よ。
