インターネットスピード低下調査の顛末【半蔵門ビジネス雑談】20201204
コロナ禍によりリモートワークが増え始めたころから、インターネットアクセススピードが遅くなり始めた。これは、日本全国そのような傾向ではあるだろうが、特定の場所、オフィスで著しい低下が見られたので調査をすることになった。
環境としては光フレッツ。場所は東京の丸の内周辺、中心部なので回線環境はよいはず。事実2年前の導入当初は、スピードテストでも500M近い速度を計測している。
【調査当初の現状】
1 下りだけ遅い
2 最初に感知したのは3月で、ちょうど、コロナによる自粛が始まりの時期あたりから。市場でリモート勤務やTV会議が使われ出したころ
3 ルーターの再起動など実施するも、結果は変わらず。
4 コロナ過に10Mbps程度にまで下降し、現在は5Mbps程度。登りのみ300Mbps
スピード確認は、別々の日で、11時、13時、16時ころ。
いずれの時間も下りのみ5Mbps程度しかでていない。
5 TV会議にも支障が出ている。Zoomの受信画面が止まるなど。
そこで調査依頼をした。依頼先は、プロバイダー契約会社、サーバーやルーターなどを設置した会社、および、フレッツ光提供会社。
【調査依頼内容】
- 現在の速度低下の実態調査
- 現在のプロバイダーで同様の現象が報告されていないか?
- プロバイダーから見て、客先環境で調査、対策を試すことのアドバイスはないか
- 提供しているサーバー、ルーター、TV会議機器類など問題ないか?
【プロバイダーよりの調査見解】
- お客様が接続されております網終端装置及び網集約装置のトラフィック状況について確認いたしましたが、各装置とも余裕のある状態で問題点は見受けられなかった。
- 東京エリアを収容している帯域制限装置のトラフィック状況は22時頃をピークに優先制御対象のプロトコルが絞りきられている状態でしたが、通常のブラウジングやyoutube、ニコニコ動画などの通信への影響は見られない。
- 直近ですとiOS14のリリースに伴うダウンロードトラフィックの影響を一時的に受けた可能性は考えられる。
- 接続状況は3カ月以上前より開始したセッションにて安定している状況で、同エリアの他のお客様から同様のご申告は特段受けていない。
- ご申告の3月ごろより事象が見受けられるようになったということであればコロナウイルス感染拡大による在宅ワーク・動画視聴の需要の増加やWindows update、特にWindows10の年2回の大型アップデートのダウンロードトラフィックと思われる通信により、全体のトラフィックが高く速度低下の一因となり得る状況があったので、そちらのトラフィック増加の影響を受けていた可能性はある。
- 回線側の問題の可能性もあるので、一度回線提供元にもご相談頂きたい。
想定できる回答だ。
【サーバーなど機器類契約会社からの見解】ーーーーー
(1)確認事項
- 通信スピードは時間帯によって遅くなるか?終日遅くなるか?
- 有線接続の端末数と無線接続の端末数を知りたい。
(2)(1)への回答
- 現在、社員8名、秘書3名で11台のデスクトップが稼働。
- 秘書用にもう1台ありますが、ほとんど動いていない。
- テレワークなどもあり、同時稼働は半分ほど。
- すべてが有線LAN接続。
- 社員8名はノートPCもそれぞれ持っており、8台のノートPCは無線LANに接続。
- (外出用なので、事務所ではそれほど利用されていない。)
- 社員は、VPN接続で外部からの接続も行っている。
(3)(2)回答に対しての見解
- インターネット回線に関しては、NTTにご連絡頂き、(断線してるかどうかや、つながりにくい等を)ご相談頂きたい。
- 接続されている機器に関して、遅延の原因になっている可能性もありますので、弊社よりメーカーに調査依頼する。
ここまでも想定回答。
【回線提供会社への依頼】
これはNTT社への依頼だ。契約者はお客様自身なので問い合わせていただく。結果は、ある程度予想できたものの、行き詰まりとなった。曰く、
- これ以上回線速度はあがらない
これは見当はずれの回答だ。質問しているのは速度低下の原因であり、今の契約を早いものに変えたいということではない。もしかすると代行して質問してもらったので、主旨がうまく伝わらなかった可能性がある。
- 周辺での問題も報告されていない
あと考えられるのは、ビル内部の共用設備だが、この調査はなかなか難しそうだ。
調査の前に再度速度測定を実施してみる。
【後日の速度測定】
半年後、条件を変えて再度速度測定をしてもらった。
chromeブラウザで複数のスピードテストサイトにアクセスし解析を行った。複数回行うことでスピードが上がったり下がったりするサイトがあるので3回の計測を行い、3回目の数字を結果にするとしている。なお回線は事務所の有線LANを使用している。
計測サイトはGoogle、ネットフリックスUSENを使用した。GoogleとUSENは、それぞれ7メガ〜15メガ程度の速度が出るた。ただしネットフリックスだけが330メガのスピードが出ておりこれは例外といえる。
前回計測よりも多少改善されているとは言え、やはり上り速度との大幅な差が出ているので、何らかの原因が潜んでいると思われる。
測定結果まとめ:
1日目 Google、USENは10MBp以下、Netflixのみ300Mbps
2日目 Google、USENとも10Mbpsだが、18時に30Mbps〜60Mbpsに回復
3日目 3つのサイトとも200Mbps〜400MBpsに回復
4日目 3つのサイトとも100MBps〜300MBps程度に回復
考察:
- 10月後半から11月初旬は午前、午後ともに速度が遅かったが、11月中旬以降は午前午後とも回復している。時期的になんらかのアクセス増大による影響を受けていた可能性がある。
- 10月の遅かった時期でも18時過ぎからは速度が改善している。アクセスが集中する時間帯影響を受けていた可能性がある。ビル内のアクセス回線輻輳の影響を受けていた可能性がある。
- 11月中旬以降、回線速度回復後もweb会議の速度低下があった。これは、事務所内Wifi上に事務所内PCからの回線輻輳が生じていた可能性がある。
結局、明確な原因は分からず現在は回復基調にあるということは、一時的なアクセス集中が原因だった可能性は高いと見ている。