半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

リモートワークへのハードル

リモートワークへのハードル【半蔵門ビジネス雑談】20200529

 

リモートワーク=遠くから働く すでに、私が最初の会社に入社した2〜3年後には、サテライトオフィスという構想が実験され、体験としてサテライトオフィスに通うというプロジェクトがあった。1982年。37〜8年前のことだ。そして、それは今でも積極的には実現してこなかった。それはなぜか。最初は技術的な課題もあっただろう。しかし何よりもメリットがなかった。コミュニケーションの面でも、評価制度的な側面も、課題はたくさん。解決する必要もなかったのだ。

 

今年のコロナ禍で急激にリモートワークの必要性が爆増し、在宅ワークせよ、すわ!リモートワーク!という流れ。しかし、このハードル、壁は思った以上に高かった。大手企業や先進企業は準備を進めてきたはずだが、意外に戸惑っている。「基本は在宅」としながらも「結局出社している」と言う人もいる。

 

そもそもそういう業務じゃない

来店する顧客に接客するからという在宅そのものがなりたたない業務の場合はリモートワークはできにくい。ただし、外出自粛で顧客が来店しないというなら、在宅でもいいのかも。しかしそれは"実業務がない"ということなので、仮想失業状態でもあり、長引けば失職の場合もある。そうならないように、リモート接客できるような状態を作っていく必要はある。オンラインチャットで対応する、場合によってはTV会議も開く、自宅なのでインターネット回線が貧弱ではこまるのでそこは増強やむなし、部屋のお片づけも必要だ。割り込まれない物理的な空間・時間、宅配、郵便などへの対応もしない時間帯が作れるかどうか、などが課題となる。

配達時間指定、宅配ボックスの設置、やれる方法はいろいろ出てきている。

あるいは顧客のオフィスでサポートをする業務は、顧客自身が出社してこなければ対応しようがない。せいぜい、電話で、メールで質問に応えることか。すべてオンラインにするしか道はない。

 

セキュリティ的ハードル

 

wifiやネットワーク接続、アクセスするためのログインなどで、パスワードを設定することはもはや当たり前。これをやるかやらないか、難しいかどうかと言う議論はもはや時間の無駄に等しい。リモートワークは避けられないなら、この最低限のセキュリティ負担も避けられない。それが前提とした上で。。。

 

(1)会社内ルール

会社内のセキュリティルールが定められている。それは、全員がリモートワーク前提ではなく、必要な社員が許可をとって行う方式だろう。少数前提。また、決してメインの日常業務ではなく、出張時ややむなく出社できないときで、もしできないことがあっても、それは後日出社時にやって、という枠組みのケース。だから以下のような制約がある。

 

  a.   ダウンロード、インストール禁止

    IT部門が許可したアプリケーションやツールしかインストールしてはいけないルールはよくある。それはウィルスソフト対策でもあるのだが、リモートワークに必要な会議やコミュyニケーション、情報共有のアプリケーションがダウンロードできないことで、せっかくの便利な道具が利用できない。

 

  b. BYOD(Bring Your Own Device)禁止

    在宅で作業する上でやはりせュキュリティ上個人所有のPCやスマホをそのまま使用するのはなく会社から貸与される場合はいいが、貸与が間に合わず、しかし、ルール上個人所有の使用は許可されていない場合、そもそも、在宅ワークでペーパーワークしかできないことになる。

 

 (2)VPN

会社のシステムやデータにアクセスをする場合に、セキュリティ上、暗号化された安全なアクセス方法としてVPNが用意されている場合がある。多くはセキュリティ上必須とされている。しかし、このVPNアクセスも、前提が、全社員ではないことがほとんどで、同時接続ユーザー数の契約が足りなかったり、USB型のVPN接続デバイスが足りなかったりで、全員に行き渡るにはまだ時間がかかりそうだ。

 

コミュニケーションツール的ハードル

 

これまで密なオフィスで仕事を協調してやってきたので、離れて仕事をするためにはコミュニケーションが一層重要だというのは自明の理だ。実際の仕事内容などは、メールやグループウェアでこれまで同様にこなせるだろうが、会議系、情報共有系は新しいツールなどを駆使することになる。

 

   a,  TV会議

Zoomは、昨年まで1000万ユーザだったのが、一気に3億ユーザーに躍進。セキュリティや性能などの問題が顕在化したものの、主役主要ツールになった。Zoom以外でも、歴史あるSkypeやGoogle Hangout、Bluejeansなど普及とともに性能向上が進む。

TV会議といえば、化粧しないと、身支度しないと、家の中映るから、と否定的な意見がやらない理由で語られたが、背景だけはぼかし、合成可能な機能で、やらない派も拒否を続けるのは難しくなった。

 

   b. カブる

一人暮らし、または、働く人が家族で一人なら問題はない。しかし、お父さん、お母さん、息子、娘、それぞれがなんらかの仕事をしていたら、みんなが同時にTV会議をすることもある。

いつもなら私がTV会議の時間だけちょっとTVのボリュームを下げて、会話をミュートしてもらえばよかった。あるいは、みんながいない時間帯に設定も可能だった。しかし、リモートワークが一般化すると、家族みんなが同時刻帯にTV会議に参加している場合もあろう。少しずつ時間がずれて参加している場合、リビングのTVはずっと静かにしなければならない。

 

    c. 作法

 始めると、沈黙は同意だったこれまでの会議と違って、同意の意思表示をきっちりしないといけなくなり、会議の性質としてはいいことだ。また、担当者などを決める場合に、全員が暗示的に担当者を見ることで会議の意思表示が成立したが、TV会議では、いつも全員前を見ている。横や斜めを見ても相手を示したことにはならない。はっきり意見として誰々に担当をと表現しなければいけない。

わざわざ会議を開くまでもない雑談は、組織内の実質的に重要なコミュニケーションツールだった。こっそりやる雑談はチャットがあった。会議中のこそこそは隣同士でしかできなかったが、TV会議なら誰とでもこそこそ。根回しツールもすでに揃っていたのだ。 

 

インターネット回線的ハードル

インターネット回線は、たいていが、そのエリアで共用されている。クラウドにあるデータを世界中からの共用回線を経由して見に行くのだ。アクセスが同じ回線に集中すれば、同じストレージに、同じデータに集中すれば、不安定になる。会社のインターネット回線は充実していただろう。都心にあり、利用者が多い故に、共用回線でもいわゆる「太い」線があって、それなりの速度が得られる環境だった。例えば当社の事務所は半蔵門だが、NTTの光フレッツで速度測定すると600MBは出ている。しかし、自宅のある横浜のはずれはせいぜい60M止まりだ。この差は、大量のデータをやりとりしはじめると大きくパフォーマンスに響く。

自宅や、小さなSOHOオフィスの場合、インターネットは引いてない公衆wifiだけの場合もある。電波だけ。ますます不安定要素が重なる。

繋がりにくい共用回線に、TV会議の画像音声、さらにはVPNを経由せよという制約、同じ時間帯に行われる会議は、満員電車がネットに移動したようだ。

 

toyokeizai.net

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問題点ばかりあげつらったが、明確になってきたということでもある。

問題点が明確になった、つまり、これらを解決すれば、リモートワーク化は可能だということ。これを機会に、在宅あるいは、リモートがニューノーマルで、出勤や集まる会議は特殊ケースという風に変化定着することに期待をしている。

 

少なくとも、各人はそういうつもりで考え準備し始めている。