反応と回答と無反応【半蔵門ビジネス雑談】 20210325
仕事のコミュニケーションが対面でなくネットでのテキストや音声、映像に移りつつある。生身が大事などと言っている状況ではなくなり、苦手であろうがメールやメッセンジャー、Web会議で行うことが当たり前になっている。
仕事のコミュニケーションの大部分は、質問と回答の積み重ねである。
Aですか?そうです。
AとBどちらがいいですか?Aですね。or(Bですね)or(どちらもよくないですね。Cを勧めます)
対面していると、質問と回答の間に、言葉にならない間のコミュニケーションが入ることがある。そして回答に至るまでに時間を要する。
Aですか?(うーん?)。。。。。考え中
AとBどちらがいいですか?(うーん?)。。。。。考え中
対面であれば、「考え中」が目に見える。回答がなくても、不自然でないし、ごく例外を除けばイラつくこともないだろう。
ところがネット上のメール、チャット、SNS、メッセンジャーでは、対面していない分「考え中」が認識できない。その結果、メッセージ未着か?考え中か?無視か?既読スルーか?などの考えが質問者に芽生える。未着なら再送しなければ?無視された?既読スルー?けしからん!!と、小さな火種がくすぶる。
質問と回答の間に生まれる空白。ネットの場合、質問者からは、無反応と見える。ネットコミュニケーションでは、これを防ぐために、「反応」というアクションが必要だ。つまり、対面コミュニケーションでは、見えている「悩んでいる、首をひねっている、考え込んでいる」反応。しかし、文字列で(うーん)と打ち込んでもそれはそれで不自然だ。そぐわない。そこで、反応を返す。
AとBどちらがいいですか?(うーん?)のかわりに=>「ご諮問ありがとうございます。検討させていただきます。」とか、「関係者に相談して回答いたします。」とか。
週末にメールできた質問に、(月曜に答えるつもりで)無反応は、質問者の不要な不信感を生み出す可能性がある。週末の質問に、反応を返せば、(週末に考えてくれるかも)という好意的な印象も生み出し得る。
回答できないとき、反応することは、無反応とは大きな差が生じる。ビジネスでのコミュニケーションにも大きな差が生じる。
でも、そうそう。相手によっては、「意図的に無反応」という手法もあるけどね。