まずいな、こういう映画に泣かされるようじゃ【読書/映画感想】20210922
「家に帰ろう」は静かな映画だった。殴り合いも罵り合いも殺人も登場人物の死も描かれない。登場人物も少ない。セリフのある登場人物が少ないという意味だ。そういう映画が魅力的に思えるようになった。個人的な会話は通常は2人で行われるのが自然だからか。
(ネタバレあらすじ)87歳のアイブラハムは、右足を切断しなければならないほど悪く娘たちは財産を分与して家を売り老人ホームに入るように進める。最後の夜、スーツケースと約束のスーツを持ってアルゼンチンからポーランドへ向かって家出する。途中色々な巡り合いもあるが結局マドリッドで15000ドルを盗まれ無一文に。ケンカ別れした娘に泣きついて1000ドル借りて旅を続けるが、ホロコーストを生き延びたアイブラハムは、ドイツの地をふまずにワルシャワに行きたいとするがうまくいかず、ドイツ人の学者に助けられるが、列車の中で倒れてしまう。病院の看護師に助けてもらって最後に友達にたどり着く。
足を引きずって歩く主人公が今の自分に重なる。それはそれとしてカッコいい爺いになりたいと思う。杖も悪くない。カッコよくなくていいか。渋い味のある爺いになりたい。スーツは着ていたいな。ハットかハンチングはかぶっていたい。キモくない爺いでいたい。英語以外にも話せるようになりたい。そうか第二外国語はスペイン語だったよな。映画のセリフがところどころ聞き取れたな。ムーチョ、マニャーナ、エスト、カサ、スペイン語を習うのもいいかもな。アミビデコラソ、ウナオラデスデルマール。。なんてね。
それにしても、まずいな、こういう映画に泣かされるようじゃ。