公用語は”へたな英語”【半蔵門ビジネス雑談】20200413
様々な要因で、日本企業はグローバルな対応を要求され、あるいは、グローバル展開を行う状況になりつつあるなかで、楽天やファーストリテイリングを初めとして様々な企業が、「社内公用語を英語に」した。これらの企業の社内では、業務用の書類、会議での発言、上司への報告、部下への指示、果ては社員食堂のメニューまでが英語化され、着々(?)と、公用語へのステップが刻まれている。
ところで当社は、海外担当者が私一人なので、英語の社内公用語化は100%完了(!)。
しかし、考えてみると、いくら英語を公用語としたとしても、国内のお客様には日本語での対応となる。例えば会社案内は英語と日本語の2種類。履歴書(CV:curriculum vitae)を求められる事もあるので、これも日英両方。
"株式会社"としては、日本に登記しているので、決算書は日本語での提出だが、実は、公用語が英語なら本来はこれも英語化するべきなのかも。実際には、英語圏の相手に決算書を提示する機会は少ないだろうから、これは即時対応する必要はなさそうだが。。。
さて、今年も予定では、アジア数カ所に調査に赴く。
各国とも普段からコンタクトしている方々は、英語を使っているので、そのままでいいのだが、現地企業を紹介していただき訪問して聞き取りをする場合、ヒアリングに応じてくれる方々が、必ずしも英語を日常で使用されていない場合がある。
すると、どういうことが起こるか。
向こうもこちらも「第二外国語としての英会話」になってしまい、
1.微妙に伝えきれず、
2.微妙に聞き取れず、
3.微妙に理解できず、
4.微妙に回答し、
5.微妙に聞いて、
6.微妙な理解をする
という何段階ものバイアスがかかってしまうことになり、結局、信頼の置ける「現地語ー日本語」の通訳が必要となってしまったりする。せっかく、社内公用語を英語にしたのに。。。
アジアに限らず、相手がスペイン語圏の人だったり、中国語圏の人だったり、フランス語圏、ドイツ語圏。。いずれも同様のことが起こりうる。
一生懸命、英語化しても、実用時は相手の英語スキル次第。結局、英語圏の人とのコミュニケーションでのみ有効活用できるということか。
ということは、社内公用語の英語化は、結局は社内研修みたいなものにすぎないのかもしれない。
本質は、英語が話せるということ以上に、話すべき事があり、それを英語で伝えるということが重要だ。以下最近のTwitterからの引用だが、
アジアに限らず、相手がスペイン語圏の人だったり、中国語圏の人だったり、フランス語圏、ドイツ語圏。。いずれも同様のことが起こりうる。
一生懸命、英語化しても、実用時は相手の英語スキル次第。結局、英語圏の人とのコミュニケーションでのみ有効活用できるということか。
ということは、社内公用語の英語化は、結局は社内研修みたいなものにすぎないのかもしれない。
本質は、英語が話せるということ以上に、話すべき事があり、それを英語で伝えるということが重要だ。以下最近のTwitterからの引用だが、
「科学者が集う学会の開催宣言にて スイスのある重鎮学者「科学の世界の公用語は皆さん、英語であるとお考えだと思いますが違います。科学の公用語は"へたな英語"です。どうかこの会期中、あらゆる人が進んで議論に参加されることを望みます。」
この会議ではいつもより活発な発言で盛況だったという。