【ODRピックアップ】20160201 Win-Winで行きましょう!。。。は、意外と難しい。。。
「是非、Win-Winの関係を築いていきましょう!」
前職時代、どこかの企業と提携あるいはパートナーとしてビジネスを推進しようというときに、よく使いました。この言葉。
お互いにメリットがある関係にしていきましょうね
という意味?だったのでしょうが、今にして思えば、提携の始まりの儀式を締める決まり文句くらいの心構えだったかなと反省しきり。よく考えれば、提携の目的として改めて口にする必要もないほど、当たり前のことですし、そもそもビジネス関係を築く以上は、双方に相当の努力と工夫をしないと達成できないことです。
弊社のHPにODRの必要性について記した部分に書いてある文。
~ビジネスは、”紛争(Dispute)”でできている?~
ビジネスは、基本的に売り手と買い手で成り立ちます。売り手は、効率よく高く売って多くの利益を得ようとしています。買い手は、いいもの・サービスをより安く買いたいと思っています。企業は、効率よくものやサービスを提供するために、仕事のできる人材をリーズナブルな報酬で雇用したいと考えますが、雇用される側は、より多くの報酬を得たいと考えます。ビジネスは、本質的に”紛争”を抱えているのです。
そもそもが、”難しい”ことという認識です。
例えば、技術的な提携で、お互いが得意な部分を利用しあおうとしましょう。ビジネスである以上、短期的には、損はせず得したい。悪くてもイーブンに。長期的にも、最初は損しても、いずれは得をしたい。ここも悪くてもイーブンに。あるいは、両者ともに、事業を、ビジネスを拡大したい、利益を多く出して行きたい、知名度をあげたい、etc...単独でなく提携協力して、これらを実現したいということは、
相手の力を利用したい、させてもらいたい
ということです。ウラを返せば、
自分の力を、相手のために提供する、
そして、双方の目的とすることを実現するということに他なりません。対等でないと難しい。しかし、なかなか対等になれない。
例えば、お互いに相手の製品やサービスを購入しあう・・・所謂「バーター取引」であったらどうなるか。お互いに買うものがあり、売りものがあるのですから、それぞれのビジネスが伸びている間は取引は順調です。ただし、片方の売れ行きが停滞したときどうなってくるでしょう。自分のほうは製品が売れるので相手からの仕入れも順調ですが、相手からの仕入れが停滞したら。。「パートナー契約」によっては、自分の売れ行きに関わらず契約に従って一定量仕入れることになっているかもしれません。ただ、これだと長続きしない。共倒れの可能性も高くなります。
事例では、「販売パートナー」との設定でした。
昔でいうなら代理店でしょうか。A社(メーカーあるいは総代理店)の製品をB社(販売、開発)が販売する。B社には、販売量などに応じて有利な取引条件となる。例えば、仕入れ価格とか報奨金とか。
いやむしろもっと対等でないといけないのかもしれません。記事での事例のように、どちらも相手任せになってきたり、「売らせてやる」、あるいは「売ってやる」という対等でない取り組み方では、うまくいかなくなるかもしれない。
対等のためには、
”直接的な金”ではなく、A社が候補顧客先や事例を紹介して販売しやすくするとか、B社はそれによって新たな顧客開拓ができて、加えて自社のサービスを付加して販売したりできれば、双方にメリットがでてきます。金の切れ目が縁の切れ目にならない関係でないといけないのではないでしょうか。
結局
「相手以上の努力をする」(それによって、相手の力を自分のために発揮させるまでに持って行く)
という鷲沢社長のお言葉通りです。