【ODRピックアップ】20160324 弁護士のくず
くずといってももちろん、屑ではありません。
"久頭"という名前の一風変わった弁護士が不思議な活躍をするマンガです。しばらく前に、豊川悦司主演でドラマ化されましたので、そちらをご覧になった方も多いのではないかと思います。
(弁護士のくず)
週刊ビッグコミックに連載されていましたが、私はコミックスを揃えてしまいました。『弁護士のくず』が第10巻まで、『弁護士のくず 第二審』も10巻までで、計20冊発行されています。
原作の舞台は、人権派でTVにも登場する白石弁護士事務所。同事務所には他にも美人のマミ弁護士(ドラマでは伊藤英明)や、尻軽なアシスタントの小俣(ほしのあき)などが登場します。くず弁護士は、エロ大好き、「それはいっちゃあいけないよ」的な発言も多い弁護士らしからぬ型破りなところが痛快です。「依頼人はウソをつく」とか「他人の秘密をどうどうと覗ける醍醐味」など、弁護士さんが聞いたら「ム?」とするような場面も多くあり、「"弁護士=(単純な)正義の味方"ではない」(前述のサイトより引用)生々しい弁護士像が描かれています。
私が以前に体験した訴訟でも、弁護士さんは、決して「正義の味方」ではなかったと思います。事件がTVで報道されるとき、加害者の人権を訴えるのを見ると、「なんで悪いことをしたヤツの味方をするんだ?」と疑問に思う人は多いと思います。しかしそもそも、弁護士は争っている原告、被告の双方についています。弁護士は「依頼人の味方」なのです。
また依頼人を勝たせるあるいは判決を軽くする(罪は軽くなりません。訴えた方が期待する判決よりもという相対的な意味です)のが使命ですから、そのためにあらゆる手を尽くします。これはもちろんズルでもなんでもするという意味ではありません。
「弁護士のくず」の中に、セクハラを訴えてきた依頼人の話しがありました。依頼人に同意しながら話しを聞く、マミ弁護士のとなりで、くず弁護士は「ホントは嫌がってなかったんじゃないのか?セクハラされて気持ちよかったんじゃないのか?」と爆弾発言!!もちろん依頼人は激怒して帰ろうとしますが、しかし、これは「嫌がってなければセクハラは成り立たない。法廷では相手が必ずそこを突いてくる。怒ってはダメなんだ」という深い読み。
私のケースでも、弁護士さんは、「ほんとはアンタ、相手の製品が悪いのを知ってて販売したんじゃないのか?」と、ミもフタもないことを言います。(いったいどっちの味方?!)と憤慨しましたが、実際の法廷でも相手はそこを突いてきましたので、冷静に対応することができました。
参考記事:紛争の体験4http://www.quon.asia/yomimono/lifestyle/law/2008/12/12/1273.php
もし、みなさんが弁護士さんのお世話になる場合があったら、ムカ!!っとさせられる場面があると思います。そうしたら、大抵の場合、その弁護士さんは頼りになる可能性が高い。(もちろん、トキと場合によりますよ)
弁護士さんは、「真実」と「事実」と「依頼人」の味方なのです。