「見届ける」という仕事【半蔵門ビジネス雑談】20190718
お客様が必要な手続きをしていなくてトラブルになりそうになった。
様々な作業があり、届け出して、認可を待ち、最終的にはその完了書類を提出し、そして手続きが完了するわけだが、当社の作業は、IT的な部分で、今回の場合、実際には、あまりない。書類提出がメールなのでその部分くらいか。それすら、お客様のご担当者が自分でもできるので、実際にはやることはないのだが、だからと言って目を離していいのか?というと、それは専門家のサポートとしては手落ちでトラブルを招く可能性がある。
もし、書類提出が滞れば結果的には手続き未完了で問題が発生する。
発生すれば対処をする必要があり、結果的には当社の作業にブーメランが戻ってくる。
だから、「そこは担当作業とは違うので」と目を離してはいけない。しかし、「それは自分の責任ではない」という表現をする人が多い。確かに”その作業”は「担当ではなく責任はない」のだが、最終的にうまくいかなかった場合、その結果が影響してしまう。
ある仕事ががうまくいくかどうか、見届けるのは、誰の仕事だろう?
誰かに仕事を任せる場合、特定の作業を任せる。例えば、作業1がA-B-Cで構成されている場合、Aを山田さんに、Bを清水さんに、Cは太田さんに任せるとしよう。それぞれの作業がキチンと終了すれば作業1は完成する。それぞれの作業の関係性がきちんと接続されるかは、AとBの作業は後作業の人が確認できる。では最後のCの作業がきちんと終わったかを確認するのは誰だ?
依頼者がABCの仕事を発注したなら確認するのは依頼者だ。依頼者から作業1全体を請け負った人がいるならその人だ。ABCの作業が完了し、作業1が完成することを確認するのだ。作業1の完了を見届ける役割。
誰かに作業1を任せるのなら、この作業1の完成を見届ける仕事までをきちんと任せないと実際には作業1が完成したかどうかを確認できない。
弁護士さんは法的に問題がないか、法的に問題にならないか、法的な問題を処理できて、法的に潔白でいられるかを確認するところまでを任される。
会計士さんは、会計的に問題がないか、問題にならないか、問題を処理できるか、会計的に潔白か確認するところまでを任される。
ITも同様だ。
技術的に問題がないか、技術的に問題にならないか、技術的な問題を処理できて、技術的に継続対応できるか確認するところまでを任される。
まずいことにならないように、お客さんが対応を間違えないように、漏れないように、忘れないように、予算措置できるように、上司に責任を問われないように、確認するところまでを暗示的に任されている。
問題があればアドバイスする必要がある。
依頼された作業結果が問題にならないように見届けていかなければならない。これが大事な「仕事のキモ」だ。
いわれたこと、任されたことまでをやるのはアマチュア。
プロは”見届ける”のだ。