【つれづれ】 20161019 古いモノを買いにいく / それどこ大賞「買い物」
「これは骨董だから価値がある」
という言葉を子供の頃からよく耳にしていました。それは昼間から冷酒を湯飲み茶碗で呑んでいた祖父がよく言っていたからです。未だにはっきりしませんが、祖父は夏の間は山に入って伐採をするような仕事をしていたのだと思います。秋になって山を下りてくると、カゴ一杯のカブトムシやクワガタをお土産に、その時期は近所の子供たちのヒーローとなって、酒の量が増えていました。
祖父は、骨董屋から、古いタンスやら、手巻きの腕時計やら、よくわからない置物やらを買ってきては、しばらくの間、飾ったり眺めたり磨いたりしていましたが、やがて、飽きてしまい、物置小屋にはそれらが雑然としまってあり、亡くなった時にはガラクタとして処分してしまったようです。
その影響を受けてしまったのか、買い物では新しいモノより古いものに目を奪われがち。一時は古着屋にも頻繁に通っていましたが、ビンテージがブームになり古着でも新品より高価なもので溢れてくると、古着屋通いもしなくなりました。
そのかわり車は最初から古い=中古=但し稀少車に走りました。
1台目は、ルノー4(キャトル)。
この頃はまだデジカメもスマホもなくて、写真を残してありません。
かろうじて紙焼の写真をスキャンしたのがこれ。
フランス車はイスから造りクッション性がよければあとはどーでも!というジョークがある程、内装がしょぼい。内側からドアをあけようとする、ドアレバーがありません。穴があいていて、そこに手を突っ込んであける仕組み。初めは内装が取れてしまったのかと思いました。ライトもハイビーム、ロービームが車内から切り替わらず、外に出てヘッドライトについているレバーをいじって切り替えるという不便さ!笑
それでも子供たちを乗せていろいろ走り回りました。最も大きくなってからは、狭い、乗り心地悪いという評価が多かったように思います。
2台目は、ビートル(VW TYPE-1)。
これは前々職の大手企業の会長にエレベータの中で、「買わないか」と持ちかけられ破格の値段で譲り受けた「我がベスト買い物」の一つですが、その後、商工会の幹部から「キミ、会長を脅して買いたたいたそうじゃないか」とあらぬ疑いをかけられています。まあ大人のジョークでしょうが。。。
ところで、昔の車は、構造が単純で、壊れ易いが直し易い。現代の車は、壊れたらブラックボックス的に部品を交換というパターンが多いのですが、古い車はバラして部品の中の更に細かい部品を交換したり、場合によっては掃除したりすればまた息を吹き返します。勿論手間や時間がかかり、ヘタをすると部品を削り出してなどということも必要で、数奇モノの世界なのですが、そうした積み重ねはよくわからない個性となって、いい味を出していくのが心地よいものです。
最近、古い車への増税が検討されているようですが、困るなぁと思いつつも、きっと益々乗り続けるんだろうなと呑気に構えてはいます。
もう一つ家族の非難の目がある(ような気がする)のは、自転車。ロードレーサーです。
自転車は、少年時代を除くと、30年くらい前にロードレーサーを買って、北海道を200kmくらい走る大会に出て以来、しばらく近所を乗るだけだったのですが、オフィス近くの顧客訪問用にスペインのロードレーサー(これは新品)を購入し、さらに、故郷でヒルクライム的な大会が開催され始めて以来出走し始めました。そのために、ロードレーサーを物色中、これまた懐かしいブリヂストンを発見。破格の値段で購入し、出走しています。古いものなのでギアやその他の性能が現代のものとは比べ物にならず、キツい!!しかし、走っていると、「懐かしい!!」と声をかけられるのが嬉しくて、何度かこれで出走しました。
残念ながら、今のギア系の部品を装着することはかなわず、やはり限界を感じていますが、なんだか美しさを感じています。
最後の買い物は時計。これは精密機械のため、古いものは動かないものも多く、部品のない場合や分解すると既に部品が代替品になってしまっているものも少なくありません。買値が安くても、修理や掃除で同じような値段がかかってしまい、それは永遠に秘密にしてしまいますが、ついつい、オークションサイトなどで物色してしまうのです。
古いものを買うのが好きなのは何故なのでしょう。祖父の影響だけでなく、なにか別のモノ、コトが影響しているようにも思いますが、それが解らずとも、まぁいいか。。。と
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