【半蔵門ビジネストーク】20170731 ツール・ド・フランスとビジネス成果
先々週の日曜日で、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」がゴールを迎えて終了しました。毎年、この時期はウィンブルドンテニスも並行して開催されていて寝不足。時差もあり、毎日のゴール時刻は日本時間の深夜1時近く。注目選手のゴールが必ずしも1位でないので、それを待っているとどうしてもずれ込んで1時を回ります。
「ツール・ド・フランス」は、21日間で、フランスを中心とした欧州のいくつかの国を廻り、その合計タイムやスプリント、山岳コースで獲得したポイントを競いますが、自転車競技者が目指す最高峰は、個人総合優勝。これは、21日間の合計タイムが少ない選手が獲得します。コースは平坦なだけでなく、アルプス越えもある山岳地帯もあり、単に最高速度が速いだけではダメ。それはとてもビジネスでうまくいくスキルにも似ているものがあるようです。
今年の個人総合優勝は、イギリスのクリストファー・フルーム選手が4度目の優勝で3連覇を達成しました。圧倒的な力の差なのですが、成績上は2位との差が、21日間の合計でなんと54秒。合計タイムが86時間20分55秒ですから、本当にわずかな差です。それでもその差をモノにして優勝する力、それも3連覇する力は驚異的です。
が、一緒に見ていた人に言わせると、なんだか釈然としないそうです。理由は、優勝したフルーム選手は、
”21日間に一度も1位になっていない”
からなのです。
このレースでは、毎日「その日の優勝者」が決まります。当然1位の人が一番速い=タイムが少ないわけです。だから優勝していない選手が総合優勝というのがなんだかおかしいと思うのは最もな疑問です。
これは実は危険回避のための集団ゴールは全て同じタイムになるという独特のルールが影響しているのですが、山登りコースに強い選手たちの間でタイム差をつければ、優勝に近くなるのです。
ビジネスでうまくいくスキルと似ていると考えたのは、決して1位をとって注目されなくても、毎日を着々と取りこぼしなく成果を挙げて行くと、業績=利益を得られるという点。ある1日のレースで極端に頑張って優勝してあとは全然ダメだと総合優勝はできません。毎日ライバル選手との差をつけず、ここぞという時に差を広げ、完走すること。これが全てです。