適応力【半蔵門ビジネス雑談】20181204
1ヶ月ほど前に、経団連の会長が歴史的なメールを送り始めた記事が話題になった。
それまで、歴代会長はメールなど発信したことはなく、大きな変革が起きたという内容だ。センセーショナルではあるが、まあ、周囲に多くのスタッフがいるだろうから、直接メールできなくても支障はなかったのだろう。ことさら、「ダメだ」ということでもないとは思うが。。。笑
働き方改革を進める経団連の今を切り取った新聞記事が話題に「ダメだ・・・」 | チャンネル「てみた」
この世代、あるいは世代に限らず、男性の新しいものへの適応は、概して、同世代の女性のそれより、若干衰えてしまうように思っている。たった一つの事例だが、うちの両親=現在は80代後半になっている=を紹介したい。
まず、父親。
携帯電話が出たことろは仕事上仕方なく、会社から持たされて自室の充電器に当時で4万くらいの携帯が設置された。もちろん我が家で初めて。さすが父。一家のあるじ。
ところが、その携帯はスマホが発売され、当人が引退するまで、確か1〜2度しか携帯されていない。なれないのでつい持ち出し忘れる。結果、電話連絡がつかない社員が結局家にまでやってくることになり、最終的には持っていないことが多いという前提で仕事が組まれたようだ。
父は今もスマホは持っていない。
対して母。
現在、私や妹、孫たちと携帯でメールで日々のちょっとした出来事や、誕生日メッセージ、そのお礼、災害時の安否などをこなしている。難点は、同世代にメールをする人が少ないことだ。
再度、父親。
引退後、地元自治会の区長を務めた。この仕事は気に入ったようで、非常に熱心に積極的に関わっていたようだ。そして、区長が発信する会合や事務仕事にパソコンを使いたいといいだした。そして、PCからプリンタなど1式揃え、「おい。パソコンを教えろ」ときた。
一通り、ワープロ機能で基本的な操作を教えた後、区長が発信する通知1年分の雛形を作ってやった。変更のある箇所を訂正してプリントすればいいようにするためだ。
ここまではよかった。
しばらくして、
「どうだい?」と聞いてみる。
「おお、便利だな」
よかったよかったと思ったのもつかのま。よくみると、雛形のデータを修正するのではなく、変更文字だけを打ち込んでプリントして、元の雛形のプリントアウトに、その文字をのりで貼り付けて、複写コピーをして使っていたのだった。やがて、変更箇所が増えてくると面倒になってきたようだ。
そして母。
この父が放り投げた区長の文書作成を引き受けることになった。年賀状印刷しかできなかった母だが、試行錯誤の挙句、現在ではそうした案内文書だけでなく、表を作成して、電話帳や、カラオケサークルのための歌詞や歌い出し一覧表をPCを駆使して作っている。
見事な適応力の男女差。
たった一例だが、世の中全般にその傾向があるようにうっすらと感じている。そして、それはあたっていると思う。
娘たちのメッセージはある程度長いが、それに対して私のメッセージは了解の二文字。それに対して短いと苦言があるが、苦言に対してもまた、すまんの3文字。
絶対、男女差だと思うのだ。