7つの試練【読書/映画感想】20181218
石田衣良の池袋ウェストゲートパークシリーズ最新作。
いずれもどこかであったような事件。でも、実際の事件が小説にも思えるくらい劇場化してきている現代は、もしかしたらおかしいのか、それともそれが実態で当然と捉えていくべきなのか。
はめられたイケメン俳優。
関係を持った女性が成人だと思ったら20前で淫行。しかし、一児の母。しかも女性もAVに売られようとしているなんて、ドラマ以上のドラマだ。少し前に放映されたドラマ「ブラックスキャンダル」を思わせる。
出会いカフェでまた現れたストラングラーズ。
沖縄の貧しい女の子は風俗で稼いで生活している。奨学金は妹に送っている。そうでないと妹は沖縄で体を売るしかなくなってしまうから。これが本当なら、売れるタレントたちが沖縄出身が多いのが納得できる。必死さが違うのかもしれない。
幽霊かと思ったら家族による虐待の話。
古くからの土地の神を守る家族は自身が何に取り憑かれているのか。それは監禁を引き起こし、殺人にまで繋がっていきそうな現代の奇妙な神話だ。そういえば実際に小屋に軟禁された精神を患ってなくなった女性がいたな。冥福を祈りたい。
SNSでのいいね中毒
「いいね」によって認知され流される若者たちは命を捨ててまで自己実現にに走るのか。試練の1つ目から6つまでは万引きなど少し無理すればできる課題で7つ目は死につながる。「飛べ」だ。それでも、いいね欲しさに、自分を認知してほしさに、飛ぶ若者たち。将来の職業は?ときかれて、ユーチューバーと答える小学生が多いこの風潮はおかしいのか必然なのか。
わかっているけど、止める勇気もない。
池袋ウェストゲートパーク=池袋西口公園は、学生時代の色々な意味での拠点だった。交番があり、通学途中のコースにもなり、時間つぶしの場所でもあり、誰かを待っている場所でもあった。今は交番もなくなり、少し違う風情になっているが、記憶の中にはしっかり残る。
今でも、私にとっての「ザ・青春」の一部である。