バズワードを使わない【半蔵門ビジネス雑談】20190807
「ブラック」と言われてショックを受けた。正確にはブラックと同等だということなので、ブラックそのものではないのだが、露ほども思っていなかったので心がポキリと折れそうだった。使った方は、こちらが思うほどの意図はなかったのはよく考えればわかる。しかし、すでに流行語にもなるほど普及してしまった言葉の威力は巷に溢れるニュース、繰り返しされる報道に比例して脳内にダメージを植え付けるものだ。
1ヶ月前は、芸人の「闇営業」のニュースであふれていた。これも繰り返し報道され、千原せいじ氏の「これ俺らもやるわ。直営業」と言い換えもかき消され、売れっ子芸人が次々と謝罪し謹慎処分が発表されたが、
(1)会社を通さず直接仕事をすること、
(2)反社会的勢力と仕事をして報酬を受け取ること、
が一緒くたにされてしまい、働き方改革の一つの要素としても普及促進される副業、兼業がいけない?ということにつながっていくのか。
二つの意味が含まれている”闇営業”=会社を通さず仕事を受けた結果、(チェックが行き届かず)反社会勢力から報酬を受け取ってしまった、ということで咎められているのだが、このままこうしたバズワードを使っていると、いつか、会社を通さず受けた仕事=よくないと整理され、副業や兼業も「いかがなものか」になってしまう予感。ハズレて欲しいけど。
これに限らずバズワードは、報道としては関心を集めやすく、話題を振りやすくなる。しかし、問題の本質を不明確にし、時には、そうでない現象もそこに吸収してしまうことがある。
ブラック企業は、そもそも、労働問題だった。
人権を無視した行為を放置したままの企業という定義もあるようだが、ちょっとでも悪いこと、失敗をしたら全てブラックに当てはめて糾弾するという傾向も出てきている。ブラックホールのようになんでも吸収してしまうようだ。
ということで、今後、バズワードは使わないようにしようと思う。流行語に乗っからず、個別の事象を説明するように心がける。