家族問題調停ODRへの第一歩【半蔵門ビジネス雑談】20210521
法曹界の取り組みの進み方が早くなった。いや、コロナのおかげなのか。単に接触を減らすため?2006年から関わってきた身としては嬉しいが、自分が動いても動かなかったことへの無力感がひしひし。
かねてより進まない理由としてコメントされてきたのは、当事者に寄り添えない、より形式的になりそう、環境を整えられない人はどうするのか、セキュリティ問題、第三者が画面外からアドバイスするのではないか、画面外から撮影されて公開されるリスク、本人確認はどうするか
ただしプラス面もたくさんある。DV系では当事者が接触しなくて済む、裁判所を出た後の待ち伏せ恐怖回避、一人親の参加に便宜が図れる、移動の手間コストを抑えて何度も話し合える。
最初は、現状のプロセスの部分的なIT化から始まっているに過ぎないが、やがて、プロセス全体を、手続法の変更も含めて、当事者に、調停人に、あるいは裁判官に、アクセスしやすく、かつフェアなやり方に変えていけるといい。それがODRの意味だからだ。
また、企業のリモートワークで、仕事をしていない人、実は専門的な仕事ができていなかった人、上司、管理者などがあぶり出されてきたように、調停人や裁判官などの仕事の質があぶり出されてくるだろうか。それも大きな意義になるだろう。