半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

問題点(マイナス)から始めるとゼロで終わりがち

問題点(マイナス)から始めるとゼロで終わりがち【たまプラビジネス余談放談】20211104

 

組織の中にいて何度も世代交代というか、後継者への交代を目撃した。創業社長からプロパーのエース社員への交代、その後継者から創業者の息子へ、とか。部門長から後継部門長へ、トップリーダーの交代。「前任が失敗して」の場合もあるし、「単なる世代交代」の場合もあった。

政治家の交代、政権党の交代などもよくみる光景だ。

新任者は抱負を述べる。

後継の施政者は抱負を述べる。

前任者が失敗をしていたり、何らかの問題を原因として、例えば業績が悪いとか、その原因がすでにわかっている場合には、マイナス点を指摘してそれを改善していくパターンは多い。うん。多い気がする。すると、期待する側も当面のゴールのイメージがしやすい。そしてこれらは成し遂げられやすかったりもする。失敗が明白=前任者がすでにトライしているから、実は土台がある程度はできているからだ。そして結果として成果が出た。「流石。」「やるねえ。」パチパチパチ。。。しかしその後、陥る停滞感。

マイナスをゼロにするのはある意味やりやすい。言い換えると、問題点から始めるとゼロになると一つのゴールなのだ。実はリーダーの腕の見せ所はここからなのだが、もしかすると前任者がそうであったように、ゼロをプラスに転じさせるのは別の種類のハードルなのだな。

 

その昔、上場企業にいた時、大規模事業所の構築計画があった。前任者は特に失敗したわけではないが外部からきた役員Aが後任となる。現場を仕切っていた私の上司がある日ぼそっという。

「新任の役員Aさんに言わせるとこのプロジェクトAは、”プロジェクトA問題”なんだそうだよ。元々は、”プロジェクトA構想”だったのに。夢でなく課題になっちまった」

これはとても示唆的な一言だったのを思い出している。

”問題”か”構想”か。

問題の場合、その課題をクリアすれば終了だ。事業所ができればクリア。構想の場合、事業所構築は手段で最終的な目的は事業としての成功。その道は険しいだろうが、ワクワクする。いつしか構想を問題として捉えるようになってしまうのだろうか。役員Aさんの気持ちがわかってしまう時がくるのだろうか。

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