僕らが恋をしたのは オノナツメ【読書/映画感想】20211224
クリスマスイブですな。ふさわしい話かな。平均年齢70歳のじじい4人のログハウスのある集落にやってきた美女、その5人の物語の第1巻。出会いの場面なのでまだ何がどうなるかわからないが、色々きっかけや謎や絡みのネタが、布石が、伏線が貼られている段階。
気がつけば自分もこのジジイたちと同じ年代になりつつある。
キザさん、ドク、教授、大将、どれも雰囲気だけでつけられたニックネームで本来の職業とは無関係だが、いい命名。そしてやってきた美女は元女優ということだけはわかっているニックネームは「お嬢」と決定。
この初老の男たちはそれぞれ特技がある。料理や大工仕事、農業など、生活力はある。憧れる。健康であればこそだと今は思う。寂しいけど。
このように力を抜いて毎日を過ごせる初老になれるだろうか。今は慣れなそうだ。悔いばっかりだ。心配ごとばっかりだ。70まで待って居られないかもしれない。だからとりあえず仕事から離れられないようだ。同じように自由に暮らせる他のジジイもいない。そうは問屋がおろさないってやつ。一緒に仕事的なことをする仲間はいる。いるだけ幸せなのだと思う。
お嬢は、それぞれのジジイと個別の場面でプライベートな話を打ち明けあう。そして「これは二人だけの秘密にしておいて」と釘をさす。そんなこと言われたジジイたちは浮き足立つ。しかしお嬢は一人になって「またやっちゃった」と顔を覆う。そんなに深刻ではなさそうではある。思わせぶりをやっちゃったなのか、お話自体が嘘なのか、もと女優の演技をやっちゃったなのか。
これからのお話期待だ。