半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

僕らが恋をしたのは(2)オノナツメ

僕らが恋をしたのは(2)オノナツメ【読書/映画感想】20220529

 

平均年齢70歳のじじい4人のログハウスのある集落にやってきた美女、その5人の物語の第2巻。気がつけば自分もこのジジイたちと同じ年代になりつつある。キザさん、ドク、教授、大将、どれも雰囲気だけでつけられたニックネームで本来の職業とは無関係。そしてやってきた美女は元女優ということだけはわかっているニックネームは「お嬢」。

 

ちょっとした秘密の会話を持ったことでウキウキする老人たちは、高校時代のマドンナ先生との秘密の会話で浮かれていたころと何も変わらない。そしてそんな気持ちはよくわかる。自分のことに興味を持ってくれて視線があえばそれだけで嬉しくなる男たち、人間は単純で可愛いのである。

そういう秘密を共有することで関係を築けるし維持できるのかもしれない。すべての関係が公のものだけになれば隠せないし、少しでも譲歩の必要があってそれをしてしまえば、みている人たちからは非難をくらうからひくに引けない場面ばかりが多くなる。

だから密約は必要で、秘密保持も必要で、裏取引も、駆け引きも、必要になる。世界はそれで平和になるのだと思う。

なにも秘密がなければお互いにいつも勝たなければいけないし、譲歩なんてできなくなる。だから秘密裏に情報を収集し、交換し、駆け引きすることが均衡を保つ。