半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

僕らが恋をしたのは(3)オノナツメ

僕らが恋をしたのは(3)オノナツメ【読書/映画感想】20221128

 

平均年齢70歳のじじい4人のログハウスのある集落にやってきた美女、その5人の物語の第3巻。気がつけば自分もこのジジイたちと同じ年代になりつつある。キザさん、ドク、教授、大将、どれも雰囲気だけでつけられたニックネームで本来の職業とは無関係。そしてやってきた美女は元女優ということだけはわかっている。ニックネームは「お嬢」。”ジジイ”たちは、それぞれ”枯れた”期待を抱きつつ、”ぎらぎらしない”ときめきのような感情を大事に暮らしていく。

 

お嬢がやってきた目的が明らかになりそうだ。設定的に、愛だ恋だはうすぺっらすぎる。そうならないことを願う。実際、歳を重ねてからの関係は成就しないほうが楽しい。長い茶飲み友達になれるほうがいい。偶に酒を飲む。雑談する。メールで時々連絡する。SNSで”いいね”する。現地集合の旅行。そしていつか旅先で偶然出くわす。そうなったらとてもいい。それには元気で(健康でなくても元気で外出できればなんとかなる)、少し自由になる金があって、周囲の理解があって。そしてそれには周囲への理解をし、許容し、ほがらかに、締める時は締めて、

お嬢がやってきたのは恋愛ではなかった。昔の恨みや憧れでもなかった。おそらく役目を果たしたら去っていくだろう。それはまた冷たいクールな気持ちではなく、去りたくない気持ちを抱えつつ、去っていくのだろう。そうやって未達のままがいい。未達だからこそ燃え尽きずにまた明日からも仄かな期待を抱いて変わらぬ日常を送るのだ。