GAMESTERS オノナツメ【読書/映画感想】20220908
高級ホテルに住む初老の男と初老のドアマン、彼らはそれぞれ、嘘を見抜ける力と相手に意図しない行動をさせる能力を持つ。ホテル住人が殺された事件に巻き込まれその能力を活かして事件に関わっていくが、大きな闇の中に巻き込まれていく気配。
設定は厨二病の能力みたい。超金持ち、能力、目立たないように生きる初老の男性、探偵、美女、汚れた警官、裏の組織、わかりやすい設定だからこそ面白い。スーパーパワーより心を制御する力はチートだからこそ無敵。誰かに見られることもない。やられた本人にもわからない。自白したとしても信じてもらえない。そのようにやってみるしかない。第三者にはわからないから、制御されたあるいは嘘を見抜かれた当事者にしかわからない。ドラマ化しにくい特殊能力。その能力があったらどうするかね。嘘を見抜くのは人間不信になりそうだ。自分のためでなく誰かのために使うのが気が楽だ。嘘を自分について欲しくない相手には使いたくない。恋愛なんぞできなくなりそうだ。付き合う相手はビジネス関係者だけにとどめたい。
相手に自分の意図とは反対の行動を取らせる能力も、恋愛には使いたくない。そんな虚しさはない。これまたビジネスだけにとどめたい。友情にも使えない。
こう考えると意外に使い道は少ないのかも。
オノナツメ氏は初老の男性好きだよな。
「リストランテパラディーソ」は、ウェイターが全員老眼鏡の紳士、「僕らが恋をしたのは」では、初老の4人組。そしてこの GAME STARSも初老の紳士とドアマン。高齢化社会に、そういう男性は増えていく。ちょっとした夢物語。いいターゲットかもしれない。