独立の季節(はてな1136記事)【半蔵門ビジネス雑談】20180501
大企業を早期退職して、新たな道を踏み出した友人がオフィスにやってきたので、行きつけのレストランでランチ。新たな道を踏み出した男のいい笑顔を久しぶりに見た気がする。彼が退職を決断して実行したのは2年前だ。最近、同社が大量の早期退職を募集し、当時とは比べ物にならない底条件で行われているらしく、当時は周囲にも良い顔はされなかったそうだが、ここにきて、
「先見の明があった」
と何故か評価が急上昇らしい。よかったよかったである。
かつて安定の象徴だった日本の大手企業が軒並み早期退職を募集しているのを目にし、耳にすると、自分はその局面に当たらなかった幸運?、いやもしかすると、大手にいなかった”やや負け組の負け惜しみ?”が密かに心に灯るのだ。
そして、周囲では、転職の活動が活発になる。
しかし、このご時世、中高年の転職で満足のいくそれを実現できる人は多くなく、翻って、「独立」を目指す人が多くなる。それまで、部長職クラスでぶいぶいいわせてきた男たち。当然そう思うだろう。
「俺ならできる!!」
と。
が、しかし。
現実には、彼に本当に実力があったとしても、多かれ少なかれ、組織の看板で仕事をしてきたことに気が付き、打ちひしがれる。それは発注する側の事情でもある。
そうだ。
仕事を依頼する方だって、組織人だ。
「何故その発注先を選んだのか」
を問われたとき、
”昔のよしみで”
と稟議書に書くわけにはいかない。ましてや失敗しようものなら、
「ほらみたことか」
と言われる。場合によっては足を引っ張られる。実績とリソースと価格とをバランスしてみれば、創業直後の一人企業に大切な仕事を発注するのは相当な冒険となる。
斯くして、「独立の季節」は、「挫折の季節」にも、「妥協の季節」にもなっていく。いずれの道でもいいが、「笑顔の季節」になってほしい。
(はてな1136記事)