半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

ウクライナ戦争後に変わること

ウクライナ戦争後に変わること【たまプラビジネス余談放談】20220329

 

先日来イスラエルの友人と話している。当然彼は徴兵経験者。今でも、アーミーサービスとして年に何回かは従軍するらしい。

以下もろもろ彼との会話より。

 

ウクライナ戦争は起こるべくして起こったのか、誰かの陰謀なのか、ロシアにしてみれば、国境を接する国がNATOに加盟すればNATO拡大の影響への対策が必要となるからという理屈だろうか。1日も早く終わることを願う。それは誰しもそう思っているだろう。ウクライナの人たちだけでなく、ロシア兵だってそうだと信じている。

 

ところで、以下の記事を見て国家間の関わり方、経済防衛の考え方は、今後は変わるのではなかろうかと思っている。

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それは資源の仕入れ先、購入先は複数化するのが必須になるのではないかということ。これまでは平和を前提に地政学的リスクを度外視して、安く買うことを最優先にしてきた。たとえば、EUは脱炭素のためにロシアから天然ガスの多くを輸入してきた。しかし、今回のような地政学的な紛争によって一気にこれが難しくなる。経済的には、大量に買うことによって単価を下げて経済的利益を得るとともに持続的なシステムに仕上げようとしていたわけだが前提が崩れればそれはできなくなってしまう。売り側としても経済的には多く買ってくれるから単価を下げることができる。紛争時の人質的な意味合いはなかったと信じたいが、今回の件で、資源や金で縛ることは、関係も縛ることになり、それは間接的な支配にもなるのだ。国土、国家がある以上、そういう関係も一つの戦略となる。ロシアのプーチンからすればNATOという軍事同盟で国境ギリギリまで周囲を固められれば万が一に備えなければと思ったのだろう。たとえ西側、EU、NATOにそういう意図がなくてもロシアがそう考えるのは自由だ。それに対して対策を立てるのも自由だ。

 

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同盟による防衛も限界になるかもしれない。一つの同盟で守れるかということ。ウクライナを守るために、米国、EU、NATOが対ロシア軍を出したら、それはもう世界戦争だ。その愚はいずれも避けるはずだ。そこは守るはずだ。はずだ。つまり、日本がウクライナ的になった場合でも、米国は前面には立てない、立たない選択をすることは十分にありうる。今回は複数の同盟も抑止力にはならなかった。

BLOGOSの記事によれば、プーチンの論文では、「同盟に頼る、大国に頼る国は主権国家ではない」ともいっているという。だから「ドイツですら主権国家ではない」と。「同盟に頼らず核を持つインドと中国しか主権国家ではない」という極端さ。それはさすがにどうかと思うが。

 

そうすると、「攻めよう」と思わせない方法しかないのか。戦いにしないために、攻めようと考えなくする、そのための備え・・・軍備。軍備をすると戦いにつながるから軍備を抑えよという向きもある。しかし、軍備が不十分なら攻めようと隣国が考える。そういう隣国があるときはどうするのだ。

 

また、国境を接する地域に相手国よりの政治的動きがあれば、そこと条約を結び、守るために軍を送るという手法が先例かする可能性がある。日本なら沖縄の親・中国の動きがエスカレートすれば、条約が結ばれ、同じようなストーリーが描かれる。そのためにも米軍駐屯は重要なのではないかとウクライナをみればわかる。

 

どうする?

でも軍事力を行使する選択肢がある以上、このリスク管理が選択肢になる。そうしておくことが今後の選択肢の一つとして浮上してきたのだ。望ましくないが浮上してくるだろう。