半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

ニュースを普通に冷静に診る

ニュースを普通に冷静に診る【たまプラビジネス余談放談】20220915

 

8月29日のNHKニュースウェブで報道された下記の内容。日本人学生に対しての施策が先だという意見がSNSで多く見られた。確かにそうだなと思うが、いくつか冷静に見たい。

まずこれはまだ政府の施策というところにはなっていない。文部科学大臣とのオンライン会談の話。指示と書いているが、文部大臣も「これから検討」といっているので、決定じゃないでしょ。それともこれで進む?だとしたら内容はともかくすごい動き早いけど。

www3.nhk.or.jp

記事では、以下3点を”指示”したと報道されている。

  • 年間30万人の外国人留学生の受け入れを目指す「留学生30万人計画」を抜本的に見直し、さらに留学生を増やすための新たな計画を策定するよう指示。

また、

  • 外国人留学生や海外の大学などを卒業した日本人留学生が、卒業後に日本で活躍するための環境整備、
  • 教育の国際化を促進するための方策についても検討を求めた。

日本人学生については、「海外大学を卒業した日本人学生」については含まれているが、「日本人で日本の大学に通う人」への支援はないようだ。この部分にSNSでの反応が集中している。日本人学生への金銭的な支援を含めたサポートをするべきだという意見が多いように見える。

 

この留学生関連の施策と日本人学生への無施策でどうなっていくのか。

 

留学生を増やす目的は、卒業後、日本に根付いて仕事や研究をし続けてくれるよう、また、日本語を話す人を増やし、日本ファンを増やし、文化的な貢献も期待する。日本以外の国では、留学生を増やし、留学生は卒業し、実際にその国に根付いてビジネスや文化的貢献をしている。日本も同じ図式を描くなら、卒業後も就職したり起業しやすいように、社会制度を含めて整えていくことが必要だ。

もうひとつ背景には、欧米の大学が中国人留学生の入国を止め始めていることがある。関係のよくない中韓への”すりより”に見えることも批判の背景か。

 

罰則は難しいだろうから、せめて学費を日本人学生より高くするなどはできないか。とはいえそれも日本が出すんだけど。少なくとも学校は潤う。

 

懸念もある。

卒業しても日本に残らない。技術を持ち出される。将来的には日本の敵になる可能性もある。せめてスパイ防止法関連は整備しはじめる必要あり。

日本人学生が奨学金などの借金を背負って社会に出るが、職のために安い賃金に甘んじるかもしれない。卒業した留学生が日本の企業を買収し、卒業した日本人学生が安い賃金で働くことを促進してしまうことも考えられる。

 

マイナス面だけ、プラス面だけを捉えて批判するのは簡単。それだけなら何も進まない。ましてや誰かの感想にだけ反応して何かを述べる前に、少しニュースを”普通に”深く診るようにしたい。反対意見にも説得力が出てくると思うけど。

 

(新聞写真はイメージ。内容と無関係)

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