半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

こんなこと考えてるのは多分自分だけ(1)原動力はもどかしさ

こんなこと考えてるのは多分自分だけ(1)原動力はもどかしさ【御散歩雑談】20221103

 

大学のとき、「近世奇人伝」という講義があり、自分の知っている”奇人”伝をみんなに紹介、共有するという授業があった。高校時代のめり込んだミュージシャンの「ジミ・ヘンドリックス」をとりあげた。彼の演奏は独創的で、美しいメロディ、フレーズ、超絶テクニック以外にも、背中で引いたり、歯で引いたり、フィードバックでハウリングノイズ、最後にはギターを燃やして壊して、演奏の範疇を超えていた。それを聴いて感じたのは、「根底にあるのは、表現に対するもどかしさ」ではないかと。演奏しても演奏しても、自分の出したい表現したい音にならず、「違う!こんなもんんじゃない、自分のやりたいのはこんな音じゃない」というもどかしさが、どんどん独自の演奏の発展を遂げて行ったのだろう。似ているのはゴッホやピカソの絵だ。独創的になる、情熱に溢れるのは、「こんなものじゃない、自分の描きたい絵はこんなものじゃない」というもどかしさ。皮膚の表面ではない、内部が痒い皮膚を上から掻き続け、しまいには皮膚の破壊にまでいきつくようなもどかしさ。この”もどかしさ”を感じられる境地でとんでもない作品が生まれてくる。そうなるまでつきつめているということなんだろう。

音楽や絵に限らず仕事、人間関係、人生でも、やりたいことへの情熱とそこへなかなか到達できないもどかしさ。それこそが原動力なんじゃないかと思っている。