半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

思想、実際、法、施策

思想、実際、法、施策【御散歩雑談】20230321

 

題名すごいが、要するに、LGBT平等法案の話。

 

何かが”こうあったらいい”、”こうあるべき”と考えるとき、それを実際の生活で実践、可能にしようとするときに、施策や法制度にどう落とし込むかというのは、重要だ。むしろそれが「本体」といっていい。

最近のLGBT平等についてでも、”平等”それ自体には誰もが、ほとんどの人々が、そうであればいい、そうあるべきだ、そうであってもいい、くらいまでは同意するだろうと想像できる。問題は、というか本体は、大事なのは、それをどのように現在の社会の制度や実生活の場面に落とし込んでコントロールするか、今はできなくても将来像をどう描き、どうやってそこに向かっていくか、生活者の具体的な、自発的な同意も含めて、どう実現していくかを”想像しデザイン”しないと反対やストレスや軋轢を生んでしまう。

3年前、出張でスウェーデンに行った。仕事の合間に王宮の博物館を見学したときの公衆「平等トイレ」の話を当時のブログに書いている。そこで体験した風景。

入り口にタッチ式のコードリーダーがあり、かざして入るようになっていた。

しかし、そのトイレは男女兼用。それも、レストランにあるような個室1つで兼用ではなく、個室が6個あって、それ全体が兼用になっていた。男子の小用はなくて、全部個室。で、男女兼用。想像できるかな。個室トイレ6個で、入り口一つで男女兼用だ。

もし個室の空くのを待って並んでいるとすれば、例えば、女性・男性・女性・男性・男性・・・のように列ができて、個室が開いたら待っている順に入って行く。すなわち、ある瞬間には並んだ個室に、女性・男性・女性・男性・男性のように入っているということだ。上部も下部も開いている個室だ。

www.odr-room.net

同国で、これは受け入れられているのだろう。なぜかと考えると、「施策と設備と運用」が配慮されているから。男性用の小用便器は無しで、すべて個室であるという設備にしてあること、入るのに有料のチケットが必要でコードリーダーで出入りが記録されること、博物館の営業時間内しか使えないこと、など、犯罪防止、記録、管理がされて、人々がそれに慣れている、その仕組みや運営者を信頼していて、相互に信頼がなりたっているからだ。私は慣れていなかったので、音や匂いなどを気にしてしまうことに気がついた。男性専用だとしてもそれには気をつかう。女性が並んでいると思えば余計に気になる。個室で用を足しているときに”ブー”と大音ガスでたら個室から出たとき恥ずかしいんじゃないか。女性側からすればそれに加えて怖いということがあろう。個室以外の監視カメラも止むを得ないかもしれない。映像のセキュリティもシビアになる。

 

日本でも進めるなら施設毎に、設備、安全システム、LGBT側、LGBTでない側両方に配慮して進めるべき。例えば、もしトイレなら、

1)男性専用小用は廃止または使用禁止、(設備)

2)すべて個室、(設備)

3)待ち行列統一(個室前に並ばない)、(運用)

清掃タイミングでの(安心感のための)盗撮チェック(運用)なども必要になる。

ほかの施設も進めるとすれば、個室完備、共用部分の行動制限などかなり具体的に考えるべきだ。各人が裸になる施設(更衣室、公衆浴場など=これは日本独自か)への適用は、急ぎすぎるべきでない。更衣室も現状設備のままで運用だけ導入するのはダメだろう。対応が遅れていることが問題?G7で非難される?だからといってそれを理由に性急に不整備のまま進めるのも、特に、政治の道具にして煽るのは、大間違い。いったい誰の為なのか。

f:id:emandai34:20190117141657j:plain