半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

紛争でしたら八田まで(12)

紛争でしたら八田まで(12)【読書/映画感想】20230418

 

11巻のカラフルな表紙から白バックに戻った。こちらのほうがやはりしっくりくる。

 

今巻の舞台は、永世中立国のスイス。信頼あるホテルで行われている疑いのある違法な安楽死の噂から八田百合が依頼を受けた調査だが調べると秘密を守る信頼性が予想を上回る使われ方をしていることが判明する。そして、舞台はアジア台湾に飛ぶ。アレックスの生家で危篤の祖父の願いを叶えることができるのか。

 

 

永世中立国スイスというのは子供のとき誤解していた。中立であれば戦争に巻き込まれないと思っていたが、中立といえども、戦争を自分で仕掛けないが、仕掛けられない保証はない。仕掛けられないためには仕掛ける隙を与えないことが必要で、そのためには備え、つまりは、軍備とそれを活用するための人材の徴兵、一般市民が万が一に備える核シェルター(人工当たり設置率100%、ま、なかには物置化している場合もあるらしいが)、さらには、万が一侵略されたとしても、そこにある資産を利用できないようにしてしまう民間防衛として、食糧を燃やしインフラを破壊し、レンジスタンス活動の方法まで、国民が行えるように備える。今の日本だったら野党や左派が、「そんなことをしたら戦争を誘発する」とでもいいそうだ。しかし、考えればわかるでしょ。弱いものがいじめられるのではない。弱そうなものが虐められてしまう現実。

 

そして台湾。よく親日といわれるし、相互交流も盛んだ。しかし同じ島国でも一度も他国占領下にない日本には、台湾 ーオランダに統治され、その後日本に占領され、第二次大戦が終わると中国大陸から中国国民党がやってきたー 台湾の本質的な感情はわからないだろう。日本が占領統治時に整備したインフラはあるかもしれないが、言語や歴史を覚えさせようとしたその歴史のもたらした意味がどういうものなのか分かりようがないだろう。

 

日常で流れてくる日本での政治的な発言の幼稚さときたらどうだ。”そんなこと”も理解できない大人が、政治家が、文化人が、がこんなにもいるのかと思ってしまう。