半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

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このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

台北プライベートアイ

台北プライベートアイ【読書/映画感想】20240306

 

台湾人作家の作品、台湾を舞台にした連続殺人事件をめぐるミステリー。元大学教授で劇作家の主人公は大学を辞めて「私立探偵」となる。最初の事件を苦労の末解決したものの、その後、台湾で起きている連続殺人事件を調べているうちに、容疑者になってしまう。取り調べを受けながらも知恵を絞り、犯人像へのヒントを提示し、自分の潔白も証明しながら、解決に向かっていくが、現れた真犯人は複雑なつながりを持つ過去からの糸の上にあり。。。。

 

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面白い見解や分析が随所に現れる。

 

アメリカは人種のるつぼであり、表面の自由奔放さの裏にはさまざまな差別や社会的ルールでがんじがらめになっている。そこにはサイコキラーが現れやすいのかもしれず、プロファイリングも一番進んでいる。

イギリスは2番目に連続殺人が多く、シャーロックホームズや名探偵ポアロ、ジェシカおばさんの事件簿など、少し陰湿な事件モノのドラマが多く作られる。ということは、そういう社会背景があるということ。

日本は、横溝正史の小説内で語られるように、「社会秩序を重んじる社会であるほど、計画的な連続殺人犯が出現しやすい。秩序は秩序から逃げ出すためのエネルギーとなり、人命に価値があればあるほど、人命を奪いたがる人間が出てくる」。

反対に、「欧州でも南に位置するイタリア、フランス、スペインなどそれほど礼儀作法の拘束を受けない国では連続殺人事件は少ない。」という。

 

以前に、”もう一つ職業をやるとしたら”という記事で、「探偵」が一つの候補になっていた。今でも魅力的だと思っているが、実際には、写真や書類を眺めるだけで犯人像や動機、手段などを思いつくような簡単なことではないだろう。本書でも、街中からあつめた監視カメラ映像の分析が大きなキーになるが、この地道な分析作業ができなければ手がかりは掴めないし、私立探偵が捜査権も令状も無しに、映像を入手できるなんているおとぎ話は現実にはないだろう。やっぱり可能なのは、素性のわかっている特定個人の行動を監視して記録し予測し不自然なところ見つけてくるような活動、つまりは素行調査や不倫調査などが一般的な探偵の仕事になるのは想像できる。

 

それにしても台湾にはもう随分行っていないな。台北は好きな都市だ。支店を設けてあるのだが、何年も休眠状態にしてある。近いうちに復活したいが、健康面もあって躊躇している。復活計画作るか。