BADON(9)最終章【読書/映画感想】20240602
ムショあがりの4人が新天地の都会でベンチャー的高級タバコ店を立ち上げる再生ストーリー。ついに最終章だ。
ヤッカラ地区から高級タバコ店が参入してくる動きから様々な過去の軋轢が表面化してくる。恩義ある組織のエリス、因縁のマルティ、そしてジャコモの意外な正体。外部の参入により一つになるBADON地区の煙草業界。
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ネタバレになるので書かないが、謎多きチーロ・ハートの伏線が一気に回収される最終章。子供の時から面倒を見てきた組の若頭の野望と浅はかな、しかし、義理も人情も分かり合えない強引に前に進むやり方。
いつころだったろう。新入社員の振る舞いが変わったのは。当時、社長も参加する立食パーティーで、社長に「バイク乗るんすか?この度ツーリング行きませんか」と捲し立てていた若者を見てヒヤヒヤした。今でもマスコミに取り上げられる若者たち、ユーチューブで目立つ人々、臆することなく前に出る人たちが正直言って苦手だ。そして、我らは老害と自虐し、いつもまにか気を使ってしまうようになってしまった。
といいつつ、自分達世代も、”新人類”といわれた。本人たちはまったくそんな気はなく、そういわれる意味も不明だったが、なんとなく上の世代に、「お前ら新人類だからな」と、気を遣われているのには気づいていた。言葉を変えると擦り寄られているような。やめてくれと思いつつそれを利用して物事を進めたこともあった。もしかすると、そういう行動が新人類と呼ばれる理由だったのかもしれない。
そういえば、この設定、中村倫也主演の「コーヒーいかがでしょう」というドラマに似ている。あれも面白かった。