半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

BADON(7) オノナツメ 

BADON(7) オノナツメ 【読書/映画感想】20230425

 

ACCAシリーズのスピンアウト 首都バードンでアッカラ出身の前科持ち中年が高級タバコベンチャーで再起を目指す物語。しかし如何せんヤッカラ区出身の輩(やから)たち、平穏な日常が過去からのしがらみで掻き回される気配。他の人を巻き込んでいかないようにリーダー的存在のハートが静かに奔走する。

 

きっかけは、いわゆる反社会勢力の内実をレポートする記事、そこで取材した若者が組織を抜けようとすることにより取材記者にも危険が及び始めたことだった。暴力により言論を制限されることに立ち向かうがそれによって周囲にも危険が及ぶのであればそれは黙るほうがいいのか、突き進む方がいいのか、正義を訴える(解決ではない)ために犠牲がでること、被害をさけるためには黙るしかないのか。

現実でいうならば、SNSで何かを訴えることにも同じことが起きうる。反社へのそれに留まらず、誰かへの苦言に止まらず、ネット空間に向かって個別の宛先なく主義主張を述べたところに誰ともしれない反論、意見、いきなりの誹謗中傷が降りかかる昨今事情、黙っているほうが平和だが何かを訴えるべきとの衝動にも駆られつつ、ここで何かを述べたところで実際には何も動かないのがわかっているのなら言っても言わなくても同じこと、いや、少しでも意見を沸騰させることに加われば意味のあることだとするか。

表紙にもあるように「必要なのは人生を変える覚悟」なのか。人生を変えなくてもちょっと情報の流れを変えて関わりを変えてその影響で人との接点が変わって会話先が変わっていく。だんだんとそういう変化が面倒くさくなってきていないか。そういう変化すら面倒になるのはヤバいのかもしれない。人生を変えなくてもいい。せめて目線の角度を少し変えて振り向く速度を少し変えて深呼吸の深さを少し変えていくだけでも覚悟のための準備になるように備えるのだ。