【ODRピックアップ】20140313 そのスマホは誰のもの?
「当初はさ、本当によかったんだよ。どっちにもメリットがあった」
Blackberryが普及し、iPhoneが登場したころ、パソコンより手軽で携帯電話より高機能、企業の基幹システムにもアクセスできるので、業務管理の仕組みが使えるため、業務効率もあがりました。
しかも、既に社員がスマホの各自の負担で保有していたため、新たな投資も必要なく、当時話題となっていたバズワードBYOD(Bring Your Own Device)の波に乗った会社も少なくないでしょう。
「でも弁護士に指摘されたので、簡単な内規を作ったのよ」
それはとても簡単なものです。利用の場合は届け出る、利用には気をつける、怪しいソフトは入れない、使わない、遠隔でデータを消せるサービスに登録する等々。。。
「だけどね。すぐ問題があることが分かったんだ」
従業員が退職する際に、スマホ内にデータ(特に企業秘密系と会社に不利になるようなお労務関係の)が残っていないか、従業員からすると、会社のネットワーク内のキャッシュとか、メールサーバーに入っている私的利用のメールなどへの心配など。
さらには、企業が訴訟に巻き込まれた場合、従業員の持っているスマホにも当該データが入っている可能性があるため、証拠として提出することを要求される場合があるのに、従業員からすれば個人の所有物であり、秘匿すべきプライバシーもあることから、提出を拒むケースもある、そうした場合、企業はできることが限られたり、結果的に証拠提出に間に合わないケースもでてくる。。。
「弁護士がポリシーを作ってくれたんだけど今度はガッチガチになっちゃってさ」
スマホでもタブレットでも、企業のデータについてキッチリと抑えておくための約束事が細かく明記され、個人所有物なのに、自分のものでないみたいな規約。でもそれに同意しないと、雇用関係が崩れてしまうかもしれないと、渋々合意するしかない従業員たち。一部には、個人の権利を侵害しているという声も出始める。
「結局、会社で購入して貸与のほうがいいんじゃないか?」
確かにそう。でもそうなると、各人は結局、自分用と会社用の2台持ちになり、持ち歩くには重くなり、会社用は自席に置いて行ってしまうことになったり、データを自分のデバイスに移し替えて利用するとかの抜け道を駆使する人も増えてしまうかもしれません。
BYODが企業と従業員にもたらす法的リスク
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/IDG/20131203/522243/?ST=cio-security