ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20140828 ITでトラブルは簡単に国境を超える、防ぐには鎖国?

【ODRピックアップ】20140828  ITでトラブルは簡単に国境を超える、防ぐには鎖国

 

・インターポールの夢

子供の頃、スイスイと国境を超えて逃げ回るルパン三世を追いかけるインターポールの銭形のとっつぁん(警部)のように、国際犯罪(国家をまたがる犯罪)には、国際警察が断固と対応してくれるのだと思っていました。それができるのだと思っていました。きっと国際警察は、各国の警察に命令を出し、世界の犯罪を撲滅するために戦う”権限”を持っているのだと、信じて疑いませんでした。みなさん、そうではありません?

「悪いコト」をすると、国内であれば、国内法に基づいて裁判所が裁定し、警察機関が強制的に捕まえて罰したりしますが、国家間のそれは、国際的に相互に取り締まるような合意がなされている海賊行為や人権侵害、ジェノサイドや侵略的戦争、武力行為など一部を除いては、警察や裁判所のような執行力を持った組織が対処してくれることは簡単ではありません。

既に言わずもがなですが、インターネットの発達は、様々なトラブルや犯罪が国境を超えて行われる”インフラ”になっています。ブランド品のニセモノの販売、振込だけさせて逃げてしまうネット詐欺、口座乗っ取りによる不正送金。。。こうした事態に対して、被害にあうと、「是非、国としてXX国の犯罪者を取り締まって欲しい」とか、「相手国に要請して逮捕してお金を取り返して」と言いたくなり、「悪いコト」は取り締まられて当然と思い、「政府はしっかりと取り締まって欲しい」と考えますが、それは、国際法の世界ではそう簡単ではありません。

 

・ 手口

ネット販売でのトラブルといえば、ニセブランド品が送られてくる被害が主流です。"ホンモノ”と謳っているケース、堂々と”スーパーコピー”と明言しているケースなど様々ですが、被害を避ける為には”怪しい”サイトから買わないように注意すればよかったのです。しかし、最近では、有名サイト自体の”ニセモノ”が多数報告されており、被害を拡大させています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140805-00000092-impress-sci

記事によれば

実在する店舗のロゴマークやデザイン、商品写真などを無断でコピーするようになり、より悪質な事例では実在する店舗の連絡先を転記する行為や、URL中に実在する店舗の名称を含める

信頼のおけるサイトと思って買ったのにサイト自体がニセモノ。。。この場合、犯罪者側は、最初からモノを送る気もありませんし、更にクレジットカード情報も悪用される可能性も高い。しかも、騙されたことに時間がかかる場合も多く、こちらも深刻な脅威となっています。

 

更に怖いのがネットバンキング乗っ取りの不正送金です。

http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_network-bankfuseisoukin

手口はIDやパスワードを盗み取られるだけでなく、安全性の高いと思われている電子証明書が抜き取られるなどの手口も発生しています。いずれもウィルス感染がきっかけで、電子証明書のケースでもウィルスによりエクスポートされてしまうというものです。被害は、58行14億円に及び、2割がロシアやウクライナなどの国外だそうです。特に、法人口座の被害が広がっており、法人だけに口座にある金額も少なくはないので深刻な脅威となっています。インターネット販売の場合もそうですが、相手の口座が国外にあると、口座凍結もすぐにはできません。

 

 より大掛かりで根本的なのが、ハッキング。

既に米国が中国からのハッキングに関わったとして、中国の将校ら5人が産業スパイやハッキングの罪で米国で起訴された事件 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1405/20/news039.html が起きていますが、実は米国もあちこちで盗聴を始めとするセキュリティ侵害の疑いがあり、もはや、こうした行為や映画の中の世界ではないのでしょう。

 

・ 現時点でとれる施策は?

こうしたITによる越境が容易になった悪いコトに遭遇しないためには、どうするのか?

ITによって国と国との取引の制限を超え素晴らしい世界が待っている。。。筈ですが、それを悪用する輩が出てくるのなら、やはりそれらを国境で止める方法がいいのでしょうか。現時点での効果が出せるのは、そうしたリスクに関わらないこと、触れない事しかないのが実情。

実際、米国政府は、中国人のハッカー?がカンファレンス等で入国するヴィザを発給しない措置をとりました。http://www.gizmodo.jp/2014/05/post_14667.html#cxrecs_s

一方、中国の政府調達局は、OSやセキュリティソフトの政府調達リストから、シマンテックカスペルスキーを外す措置をとりました。OSについては、既にリストに入っているのは、マイクロソフトのみとなっています。http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1408/05/news039.html

また中国はiPhoneの使用禁止を呼びかけています。

http://bit.ly/1qUamgx

 

まるで鎖国です。