昔のパイプは使えない【半蔵門ビジネス雑談】20180712
少し早めのランチに隣の行きつけのレストランへ。まだ空いていて両隣は空席だ。一つ離れた席に初老の男性と中堅社員というビジネスマン2人。話し声が聞こえてくる。
中堅社員「X社の新規案件、参入できなくて残念でしたね」
初老男性「うむ。既にパイプができていたらしい。私が現役の頃はかなり太いパイプを築いていたのだが。。。」
パイプ?。。。久々に聞いたこの言葉。
本来の意味のそれではなく、正面からの関係ではなく、裏口的な特殊な人脈とか関係とかを意味するビジネス用語の一つだ。
しかし、このご時世、不正や癒着、談合がこれだけ叩かれている中で、パイプがいくらあっても、それがどんなに太くても、決裁システムを掻い潜って、商談が成立させられるとは思えない。
仮にパイプを是としても、人脈や人間関係、信頼関係は、特定の人物間の関係である。前出の初老の男性は、現役を退きつつある顧問だろうか。パイプの反対側にいる相手も既に現役ではない可能性が高い。そうなれば、そのパイプはもうない。閉じているのだ。
パイプが劣化するように、人間関係も劣化する。
自分が歳を重ねると相手方も重ねている。やがて組織を去る時もくる。何もしなければ関係は引き継がれない。どちらの組織にも自分が去ったあとの関係を維持できるように関係の引き継ぎをお忘れなく。