【ODRピックアップ】20151211 後継者を育てる意味
大手のIT企業を退職して一人で仕事を有り始め、パートナーにもお客様にも恵まれて8年目。軌道にのったかな?というところで、同世代の他業界の社長と話をしていてあらためて気がついたのは、「部下の若手がいないということは、後継者を育てていないに等しい」ということ。たとえ、後継出来る人がいたとしても。
サラリーマン時代には、毎年何人かの新入社員が入社してきて配属され、否が応でも、彼ら彼女らに仕事を与えなければなりませんでした。即ち、多少なりとも、先輩として上司として、育成しなければいけないということ。育成とは、業務上の技術的な知識を与える面も勿論ありますが、それ以上に、会社員として社会人として職業人としての、振る舞いや考え方を教えることにほかなりません。これは、程度の差こそあれど、企業にはいれば誰もがやっていることで、珍しい事でもありませんが、個人商店と変らない弱小企業では、実は最も難しいことなのです。育成する部下がいないのですから。
部下の育成は、前述のように、技術や知識の「承継」です。普遍的な技術・知識もあれば、その企業特有、固有の知識もあるでしょう。そしてもうひとつ。実はこれが企業組織にとって重要なこと。人間関係の「世代交替」です。承継ではありません。世代交替の見極めです。
承継は、資産を引き継ぎ、技術を引き継ぎ、経営環境を引き継ぐこと。
事業承継とは? | 事業承継・後継者育成と経営改善のNBCコンサルタンツグループ
それは、最近だけでなく長い間議論され実験され実践されてきています。現在の経営者にまつわる関係を引き継いで継続して利用活用することです。現社長と相手社長、顧客、提携先、技術者、社員との関係を引き継いでいくことです。しかし、こちらが継承するように、こうした相手先にも継承が起こります。起こっています。
承継では、相手の経営者を紹介され「今後ともよろしく」と会食をするかもしれません。そこには、もしかすると、経営者の後継者も同席しているかもしれません。後継者同士がそこで顔を合わせていても、例えば、(息子か。いい身分だ)とか(仕事ができるのか怪しいもんだ)とか(今まで見た事もないやつだ。苦労していないやつだ)などと思われてしまう可能性もあるでしょう。単純に、(たいしたことない)となめてかかられる場合もあるかもしれません。大事なのは、相手の継承が行われた時にも、取引先としてパートナー企業としてがっちりと関係を維持しているかどうかです。
逆に場合によっては、こちらのためにならないと判断できるなら、継承時に関係を断ち切るチャンスでしょうから、ずるずると行かないためにも、承継者の見極めは重要です。
経営レベルだけでなく、現場の技術者レベルでも、同じ承継が行われ、継続かサヨナラかを見極めて行く、世代交替がシビアに行われて行く必要があると思うのです。
後継者を育てる本当の意味はここにあるはずです。
友人はこの点を次のように対応しているそうな。
すなわち、若手のプロデューサーを2〜3人に絞って、業務を任せ、技術的なことだけでなくて、人間関係も任せて、スタッフの選定もやらせて見ているそうです。うまくいくといいです。